***Day6後編:shikoku Pilgrimage 四国霊場108番所巡礼乃旅1400km 自らに課する苦行*****

***Day6後編:shikoku Pilgrimage 四国霊場108番所巡礼乃旅1400km 自らに課する苦行***** 旅程:高知ぽかぽかの湯( 高知県高知市北川)〜31番竹林寺〜32番禅師峰寺〜33番 雪蹊寺〜第34番種間寺〜第35清滝寺 〜第36青龍寺〜須崎遍路小屋(高知県須賀市押岡)
日付:2016年5月23日月曜日 天気 曇り後晴れ 距離 約81km  累計距離 約450km
国道47号線は横波半島を縦断する。





動画説明:四国霊場第36番札所 青龍寺

http://www.88shikokuhenro.jp/kochi/36shoryuji/

第36番札所:青龍寺から第37番札所:岩本寺までの遍路道は 大きく別けてふたつある。 地図を広げて確認すると、 ひとつは海岸に沿ってひたすら起伏の多い国道47号である。 もうひとつは、穏やかな内海のコースである国道23号。 楽をしようとするとこの道がいいようだ。 どうやら浦ノ内には渡し船があるらしくて、約1時間ほどで国道47号合流地点まで達するらしい。 ひとつは、一番楽な遍路路は、一旦打ち戻って津ノ内湾を上から回るルート。 もうひとつは、下回りのルートは距離的には少しだけ近そうだが、アップダウンが激しくてしんどいぞ!と先輩遍路さんの助言を頂いた。 **遍路道はふたつ?** 2つの遍路路を整理すると、 **1.宇佐大橋を打ち戻り、浦ノ内湾北岸(県道23号)を進むルート** 特色:距離が少し長くなるが、負担の少ない平坦な道 **2.横浪半島を横浪スカイライン(県道47号)を進むルート** 特色:アップダウンがあり、少々苦労はするが、半島からの海・湾の景色を楽しめる道 さらに、海の遍路道もあるようだ。 **3.浦ノ内湾を巡航船で進むルート** http://www.city.susaki.lg.jp/life/detail.php?hdnKey=340 空海が「青龍寺」を開創した時代に、このあたりは道がほとんど整備されておらず、弟子をこの地に残して渡し船を出すように命じ、遍路道としても船を使うことが認められていたそうです。 それが現代まで残っているのが、浦ノ内湾の埋立~横浪を結ぶ巡航船なです。 このような根拠から海の遍路道であり、旧道であると理解することができます。 そうすれば肉体的な負担も少なく、平坦であることからして一番楽なコースだと言えるだろう。 **自らに課す苦行** だが、何度も言うように僕は自分の脚だけで四国を一周したいと強い気持ちがあるので、海の遍路道も国道23号線は見送ることにした。 残された選択種は、外海の沿った国道47号線である。 僕の四国霊場は野宿が基本であり、苦行を自らに課せることを念頭にこうして走り旅をしている。 僕にとっては、楽な選択種残されていないのだ。

結局は、外海コースを選んだ。 やはり、海を眺めて歩きたいという想いが強かったのだ。大きな太平洋の壮大な情景を浮かべると、静かな内海には魅力を僕は感じなかった。 基本的には車道であるから、車の往来が激しいのかと思ったがほとんど車らしい車はなかった。 青龍寺を巡拝して、国道47号線に入るとガードレースに貼られた遍路シールが見当たらない 。


仕方なく国道47号線を登っていいくことにしたが、どうも不安でしかたない。 あたりをキョロキョロしながら、遍路シールを探しながら 起伏ある坂の上に大きな建物が見えた。 **坂の上の宿:国民宿舎土佐** それは国民宿舎土佐であった。

宿HP↓ http://www.kcztosa.com/index.html ここは普通の部屋だけでなく遍路さんに格安なドミテリーの部屋もあると聞いていた。 経験豊かな先輩お遍路さんからの情報によればお遍路さん向きにドミトリーがあり、二階ベッドが備え付けられているらしい。

もちろん相部屋ですが、但し料金は格安の2,500円(素泊まり)です。 今夜の野宿はどうしても気持ち的に後退していた。畳の上で横になり、温かいお風呂に入浴して臭い汗も汚れた衣類等を洗って、のんびりと部屋で寛ぎたたいという強い誘惑を感じていた。 どうしようか?と、自問を繰り返した。 しかし、迷った結果はとにかく37番札所岩本寺まで頑張ろうと決断した。ここで誘惑に負けると、その先も同じように誘惑に負けてしますようでそれを恐れたのだ。小さな雨粒が降ってきた。 国道47号線合流地点にたどり着くころには、雨が激しくなってきた。 夕方近くの雨が一番辛い。 ビニール傘をさしながらリックのカバーを掛けて 防水対策に時間をつぶされる。 雨は断続的に続いた。 坂の合間に海が見える。荒々しい海飛沫が断崖の岩にあたり白く吹き上がら波模様が印象的である。

沖合には漆黒の闇が浮かんでいた。それはあたかも遍路さんの行く道を 遮るように邪魔をして、結願までの苦行を試しているように感じだ。 ビニール傘は何度沖合からの恐怖で吹き飛ばれそになりなが、 傘の骨を押さえて折れないように支える手が痛い。 どうして僕は走り歩いているのか。
漠然とした考えしかなかったが、僕のためにもその回答を人に説明できるくらいまとめたい。 この便利な時代に、車でもバスでも電車でもなく、どうして僕は走り歩いているのでしょうか? それは、自分の足だけで走り歩いていると小鳥の囀りや足元の小さな花に気づき、それを愛でることができるから他ならない。 乗り物は確かに便利で楽で速いですが、その代償としていろいろな小さな、大切なことを見過ごしているのではないでしょうか?
地元の温かい人々とふれあい、励まされ、一歩一歩自分の足で進んで行きたいから、走り歩くのです。 これは、日常生活にでも言えることではないかと思う。 物質欲や文明の利器の助けにより、僕たちの生活ペースは少し昔と比べ物にならないくらい速く便利になった。 でもその反面、本当に僕だたちに大切なものは何かを見過ごしてしまっているような気がする。 だから僕は敢えてそのスピードを落とし、ゆっくりと周りにある小さいけれど大切なものに気づいていきたいとする強い気持ちが 僕を行動させるのだ。 小さなものでも、平等に光が分け与えられる世界を造りたいと思う。 小さな集落が現れた。 朝からまともな食事を摂ることもできず、ようやく人の気配に感謝した。 今晩の夕食を買う予定だったので、小さな商店で重い荷物を背中から引き剥がした。 お店の中を観察すると、すぐに食べられるよなお惣菜が見当たらず、落胆しながら外にでると、車が一台停まっていた。 荷物を担ぎ少し歩くだすと、車の助手席から杖をついたおばあさんが出てきた。 「これでお弁当でも買いなさい。」と、500円玉を手渡してくれた。 「少なくてごめんね。」 とんでもない!有難くいただき、納め札を渡させていただいた。 おばあさんの思いと共に、四国を回ります。 本当にありがとう。 僕は、バックパックの上にお接待をしてくれた方々の思いを乗せて歩いていると思っている。 それはプレッシャーでもなく、責任でもなく、お大師さまと一緒に回っているような感覚だ。 みんなの心や温かさがありがたい。 その思いだけで、ご飯3杯ではないけど結願まで必ず頑張ろうという気になる。 みんなに、良い意味で、歩かされていると感じる。 本当にありがとう。 **須崎遍路小屋** 詳細HP↓
http://www.geocities.jp/henrogoya/koyapage/17/17.html 民家が並んでいる先に、ようやく須崎遍路小屋が見えてきた。 井草のマットも敷いてあり、きれいな小屋である。

しかも、裏の民家の方がボランティアで水道とトイレまで提供してくださっている。本当にありがたい遍路小屋である。 しばらく呆然と雨をやり過ごして、水道で顔を洗ったりしていると、民家の方が出てきた。 上から下まで目踏みをされているような視線を受けたが、”本日お世話になります”と挨拶をして、水道とトイレのお礼を述べた。 ここの遍路小屋のために、その民家の方が自分の家の横に簡易トイレを設置してくれている。 中に入ると、きれいに使うようにこんこんとお願いされた張り紙がしてあった。 中にははみ出した汚れを掃除せずに放置したり、ゴミを放置したまま去って言ったりするお遍路さんがいるようだ。 今まで出会った歩き遍路の中で、そんなことをするような人は一人も居なかった。 もしかしたら、謙虚さも失ってしまった職業遍路の人達が多いのだろうかなどと想像してしまった。


お遍路さん現る! いよいよ寝袋に入って寝ようか、というときに小屋の入り口でドサッと音がした。 見てみると、お遍路さんが小屋に入ってきた。 真っ暗な中を一人歩いてきたらしい。 この小屋の床は狭くて、2人寝返りを打てないくらいの大きさしかない。 「あ、僕はコンクリートで十分なんで。」と、言ってその人はコンクリートの上にさっさとマットを敷いてしまった。

心深く申し訳ないので、”床の上がってください”と言っても聞かなかった。

そのおじさんは、仙台から来ているらしく、2度目の遍路だと言っていた。 定年を迎えて 人生の区切りとして自分を見つめなおすために遍路の旅にでた。
「人生の節目に、ここに呼ばれるんですよ。」と心底の言葉が語る。 僕は思った・・・・やはり、四国霊場はそんな場所なのであると。

夜も更け、二人ともお休みなさいを言って寝袋に入る。 今日は山中ではないので、寒くはないし、一緒に寝る人がいるのでぐっすり眠れそうだ。 今日出会った全ての人々に、ありがとう。 全てのものに光を。 突然異様な騒音で目を覚ました。 大きく響き渡るイビキである。 発信元は、長メンチに寝ているおじさんである。長い距離の遍路道を歩き、若くない肉体には疲労が蓄積されているのだろう。 深く潜行的に肉体の奥から湧いてくるイビキである。 ”これだと眠れないな。”と僕はふっと呟いた。 イビキは長く余韻を残し、のたうち回るように絶え間なく続く。 この先も時間が経過しても、イビキは続きそうだ。 遍路小屋から眺める情景は、畑である。だが、今は漆黒の中に消えて なにも見えない。 雨は降り続いていた。このまま朝を迎えるのか?と正直にいえばかなり辛い。 原因はおじさんであるが、起因は生理的現象であるから本人には責任がない。だが、この原因で眠れないのは事実である。 眠れない夜が悶々とふけていくのである。 つづく 四国霊場八十八箇所 距離 http://hen6.web.fc2.com/plan/plan_t... 四国八十八箇所*の道 http://gpscycling.net/tokaido/henro.html 四国別格20霊場の道 https://www.google.com/maps/d/viewer?mid=1gTqFJPYCB1zuX2AGf1wm2F3zRXY&hl=en_US 引用 資料 http://www7b.biglobe.ne.jp/~karasum...\




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